この記事を読むと
- 将棋界にあるタイトルの種類
- タイトルを獲得する難易度
- 羽生善治永世七冠のタイトル獲得一覧
- それぞれのタイトルを獲得した年月日
が理解できます。
通算100期達成or27年ぶりの無冠かで世間の注目を集めていた、羽生善治永世七冠VS広瀬章人八段の第31期竜王戦。
3勝3敗の第7局までもつれ込んだ大熱戦を広瀬章人八段が制し初の竜王位獲得。羽生善治永世七冠は、27年ぶりに無冠(九段)へ。。
ついに…ついに… 羽生善治永世七冠が、獲得タイトル通算100期達成!
…と言いたかったんですが、、惜しかった…。
羽生善治永世七冠は、1989年度の竜王戦においてタイトルを初戴冠(19歳2ヶ月)、その後一旦はタイトルを失うものの1990年度棋王戦において再びタイトル奪取。
ここから実に27年間、
常に何らかのタイトルホルダーとして将棋界の頂点に君臨し続けていました。
これは本当に凄いことで、前人未到且つ空前絶後、今後の将棋界において誰も(藤井聡太七段でさえ)到達できないであろう大記録。
通算100期は後日のお預けとなりましたが、現在の99期も凄すぎて「あなたが神か?」としか思えない状態なのです。
…しかし、あまり将棋に詳しくない方は、それがどれくらい凄いことなのか、あまり分からないかもしれません。
そこで今回は、将棋界におけるタイトルの種類や羽生善治永世七冠のタイトル獲得推移などを一覧にしてまとめました。
ちなみに、
- 将棋棋士の年収ってどれくらい?
- 羽生善治永世七冠の賞金総額は?
という将棋界のお金について気になる方は、こちらの記事が参考になります。
関連:直近10年の『年間獲得賞金・対局料』ベスト10まとめ【歴代ランキング】
【まとめ】通算100期ならず…!羽生善治永世七冠の獲得タイトル一覧【将棋】
将棋界の八大タイトル一覧
現在の将棋界には、下記八つのタイトルが存在しています。
- 竜王
- 名人
- 叡王
- 王位
- 王座
- 棋王
- 王将
- 棋聖
プロ棋士というのは、東大よりも遥かに難易度の高い「奨励会入会⇒三段リーグ突破」という狭き門をクリアしてきた天才です。
しかし、当然のことながら周りの棋士たちもみんな同じくらい天才。自分だけ勝ち続けることは困難ですから、勝ったり負けたりするのが当たり前。
それ故、将棋棋士人生においてタイトルを一度も獲得することなく(それどころか挑戦すらできず)引退していく棋士が大多数であり、八大タイトルのどれか一つを1回獲得しただけで、その棋士は一流棋士と呼ばれます。
天才である筈の将棋棋士がどんなことをしてでも獲得したい…それがタイトル。
そんなタイトルを幾度も獲得し、一時はすべてのタイトルを一人で独占(当時は七冠)、2017年には将棋界でただ一人となる「永世七冠」の称号をも得た羽生善治永世七冠という人は、並みの棋士では到底辿りつけない領域に入ってしまった異次元の天才と言えるでしょう。
最近目覚ましい活躍をしている藤井聡太七段は、現在16歳。
今後何らかのタイトルを獲得することは間違いなく、将棋界の未来を背負う天才であることも確か。しかし、その藤井聡太七段をもってしても、タイトル通算100期は難しい(というか無理)でしょうね。。
将棋界八大タイトルについてもっと知りたい方は、下記記事をどうぞ。
関連:羽生善治『永世七冠』獲得!もっとも神に近い男が、そこに居た
羽生善治永世七冠 各タイトルの獲得回数
1985年12月18日にプロ棋士としてデビューして以来、これまで羽生善治永世七冠が獲得してきたタイトルは全99期。それぞれの内訳は下記となります。
- 竜王 7期
- 棋王 13期
- 王座 24期
- 棋聖 16期
- 王位 18期
- 名人 9期
- 王将 12期
繰り返しになりますが、ほとんどの棋士が一度も獲得できずに引退していくタイトルをこれだけ獲得するのは、偉業という言葉では足りないくらいの偉業であり、ちょっと信じられない数値…。でも、事実なんです。
ちなみに、参考として歴代タイトル獲得数ランキングベスト10も載せておきます。
① 羽生善治 99期
② 大山康晴 80期
③ 中原誠 64期
④ 谷川浩司 27期
⑤ 渡辺明 20期
⑥ 米長邦雄 19期
⑦ 佐藤康光 13期
⑧ 森内俊之 12期
⑨ 加藤一二三 8期
⑩ 木村義雄 8期
これを見ても、ベスト3が4位以下に圧倒的な差をつけており、そのなかでも羽生善治永世七冠が抜きん出ていることが分かるでしょう。
しかも、2位の大山康晴十五世名人と3位の中原誠十六世名人は既に引退済であるため、羽生善治永世七冠が今後タイトルを獲得するたびに、その差は広がっていくのです。
そんな天才棋士である羽生善治永世七冠は、沢山の本を書いています。
どんな著書があるのか気になる方は、こちらを参考にしてください。
関連:羽生善治永世七冠のことがよく分かる面白い書籍5選【国民栄誉賞受賞記念】
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羽生善治永世七冠 タイトル獲得推移 第1期~第25期
続いて、羽生善治永世七冠がこれまで獲得してきたタイトルを、順番に振り返っていきましょう。
まずは第1期~第25期。
期 | タイトル | 年度 |
---|---|---|
1 | 竜王 | 1989 |
2 | 棋王 | 1990 |
3 | 棋王 | 1991 |
4 | 王座 | 1992 |
5 | 竜王 | 1992 |
6 | 棋王 | 1992 |
7 | 棋聖 | 1993前 |
8 | 王位 | 1993 |
9 | 王座 | 1993 |
10 | 棋聖 | 1993後 |
11 | 棋王 | 1993 |
12 | 名人 | 1994 |
13 | 棋聖 | 1994前 |
14 | 王位 | 1994 |
15 | 王座 | 1994 |
16 | 竜王 | 1994 |
17 | 棋聖 | 1994後 |
18 | 棋王 | 1994 |
19 | 名人 | 1995 |
20 | 棋聖 | 1995 |
21 | 王位 | 1995 |
22 | 王座 | 1995 |
23 | 竜王 | 1995 |
24 | 王将 | 1995 |
25 | 棋王 | 1995 |
【トピックス】
・19歳2ヶ月で竜王獲得(最年少記録)
・19歳で六段昇段
・20歳で七段昇段
・20歳で棋王獲得(最年少記録)
・21歳で王座獲得(最年少記録)
・22歳で棋聖獲得
・22歳で順位戦A級昇級
・22歳で八段昇段
・22歳で王位獲得
・23歳で名人獲得
・23歳で九段昇段
・24歳で永世棋王資格獲得(史上初)
・24歳で永世棋聖資格獲得
・25歳で全7冠独占(史上初)
羽生善治永世七冠 タイトル獲得推移 第26期~第50期
第26期~第50期。
期 | タイトル | 年度 |
---|---|---|
26 | 名人 | 1996 |
27 | 王位 | 1996 |
28 | 王座 | 1996 |
29 | 王将 | 1996 |
30 | 棋王 | 1996 |
31 | 王位 | 1997 |
32 | 王座 | 1997 |
33 | 王将 | 1997 |
34 | 棋王 | 1997 |
35 | 王位 | 1998 |
36 | 王座 | 1998 |
37 | 王将 | 1998 |
38 | 棋王 | 1998 |
39 | 王位 | 1999 |
40 | 王座 | 1999 |
41 | 王将 | 1999 |
42 | 棋王 | 1999 |
43 | 棋聖 | 2000 |
44 | 王位 | 2000 |
45 | 王座 | 2000 |
46 | 王将 | 2000 |
47 | 棋王 | 2000 |
48 | 王位 | 2001 |
49 | 王座 | 2001 |
50 | 竜王 | 2001 |
【トピックス】
・25歳で名誉王座資格獲得
・26歳で永世王位資格獲得
羽生善治永世七冠 タイトル獲得推移 第51期~第75期
第51期~第75期。
期 | タイトル | 年度 |
---|---|---|
51 | 棋王 | 2001 |
52 | 王座 | 2002 |
53 | 竜王 | 2002 |
54 | 王将 | 2002 |
55 | 名人 | 2003 |
56 | 王座 | 2003 |
57 | 王位 | 2004 |
58 | 王座 | 2004 |
59 | 王将 | 2004 |
60 | 棋王 | 2004 |
61 | 王位 | 2005 |
62 | 王座 | 2005 |
63 | 王将 | 2005 |
64 | 王位 | 2006 |
65 | 王座 | 2006 |
66 | 王将 | 2006 |
67 | 王座 | 2007 |
68 | 王将 | 2007 |
69 | 名人 | 2008 |
70 | 棋聖 | 2008 |
71 | 王座 | 2008 |
72 | 王将 | 2008 |
73 | 名人 | 2009 |
74 | 棋聖 | 2009 |
75 | 王座 | 2009 |
【トピックス】
・33歳で13年ぶり1冠に(王座のみ)
・33歳~34歳で王位・王将・棋王を獲得し4冠に
羽生善治永世七冠 タイトル獲得推移 第76期~第99期
第76期~第99期。
期 | タイトル | 年度 |
---|---|---|
76 | 名人 | 2010 |
77 | 棋聖 | 2010 |
78 | 王座 | 2010 |
79 | 棋聖 | 2011 |
80 | 王位 | 2011 |
81 | 棋聖 | 2012 |
82 | 王位 | 2012 |
83 | 王座 | 2012 |
84 | 棋聖 | 2013 |
85 | 王位 | 2013 |
86 | 王座 | 2013 |
87 | 名人 | 2014 |
88 | 棋聖 | 2014 |
89 | 王位 | 2014 |
90 | 王座 | 2014 |
91 | 名人 | 2015 |
92 | 棋聖 | 2015 |
93 | 王位 | 2015 |
94 | 王座 | 2015 |
95 | 棋聖 | 2016 |
96 | 王位 | 2016 |
97 | 王座 | 2016 |
98 | 棋聖 | 2017 |
99 | 竜王 | 2017 |
【トピックス】
・36歳で永世王将資格獲得
・37歳で十九世名人資格獲得
・47歳で永世竜王資格獲得
・47歳で永世七冠達成(史上初)
・そして48歳、広瀬章人八段との第31期竜王戦に敗れ、27年ぶりに無冠となる。永世称号(十九世名人・永世竜王・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将・永世棋聖)を名乗ることも可能であったが、本人の意向により呼び名は九段に決定
羽生善治永世七冠タイトル獲得推移 最後に
この記事では、羽生善治永世七冠が打ち立てた素晴らしい実績の数々、及びタイトル獲得の難しさをお伝えしました。
ちなみに、将棋界のタイトル獲得最年長記録は大山康晴十五世名人の56歳11ヶ月。
今回は残念ながら通算100期ならずでしたが、現在48歳の羽生善治永世七冠がその年齢に達するまで、まだ8年ほどあります。
つまり、大山康晴十五世名人と同等以上の力をもつ羽生善治永世七冠であれば、再び何らかのタイトルを獲得する可能性は非常に高いであろうということです。
その日を楽しみに待ちましょう。
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