ここは、
田中芳樹 著
アルスラーン戦記05巻『征馬孤影』
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【ネタバレあり】アルスラーン戦記05巻『征馬孤影』レビュー【小説/完結/田中芳樹】
第05巻『征馬孤影』 1989年
第一章 トゥラーン軍侵攻
王都エクバターナを奪還すべく進軍していたアルスラーンのもとへ、ペシャワール城からの使者パラザータが追いついてきた。パラザータからの報告を受けたアルスラーンは、順調だった行軍を止め、ペシャワール城への転進を決断する。パルス北東に位置する草原の覇者トゥラーンが軍を差し向け、国境を越え砂塵を巻き上げながら来襲してきたのだ。アルスラーン率いる本隊に先駆け騎兵500名と共に先行任務についたファランギースは、中書令(サトライプ)ルーシャンらペシャワール城の面々を励ますべく、大陸公路を駆け抜けた。。
騎馬の民トゥラーンは、野戦であればパルス軍に匹敵する強さ。放っておくとパルスの東側が征服されてしまうから、ここは戻らざるをえない。
ファランギースは道中において、パラザータに馬を貸したという隻眼の男と合流。夜の闇に紛れペシャワール城への入城を試みる。親王(ジノン)イルテリシュらトゥラーン軍先遣隊の注意を隻眼の男が引き付け、作戦は成功。ペシャワール城の兵士たちはファランギースと万騎長の救援に歓声を上げた。驚くファランギースが横を見ると、敵の返り血をたっぷり浴びた隻眼の男が兵士の声に応えていた。。そう、彼は万騎長クバードだったのである。
すれ違いにすれ違いを重ねていたクバードが、ようやくアルスラーン軍に合流。アンドラゴラスを除けばパルス軍最強の3人(ダリューン・クバード・キシュワード)が集結した。この3人+ナルサスの智謀の組み合わせはちょっと強すぎて、相手が可哀そうになってくる(苦笑)
ファランギースに遅れること三日後の払暁、アルスラーン軍本体がペシャワール城へ到着。トゥラーン軍と激しい戦闘を繰り広げる。ダリューンはアトロパテネ会戦以来となるクバードとの再会に喜び、馬を並べて剣をふるう。二人が人血の虹を宙にかけるありさまはトゥラーン兵にとって災厄そのものであり、死の旋律を奏でる二本の白刃から遠ざかりはじめる。形勢不利を悟ったトゥラーン軍は後方へ退却。ペシャワール城に一時の平穏が訪れた。
ダリューンとクバードは人間相手の一騎打ちならほぼ絶対負けないキャラクターな為、一般兵では紙切れのように切り裂かれるのみ。純粋な人間で対抗できるのは、アンドラゴラスとヒルメスくらい。
第二章 魔の山
アルスラーンから一旦離れパルス国内を自由に歩き回っていたギーヴは、魔の山デマヴァント山へ辿り着いた。岩の間から毒煙が上がり沼には瘴気が立ち込める、人間を拒むかのように荒涼と聳え立つデマヴァント山において、複数の馬蹄の跡を発見するギーヴ。不審に思い跡を辿ったところ、宝剣ルクナバードを自らの腰に抱くべく入山したヒルメス一行を発見し、止めに入る。
ギーヴ往くところ事件在り。
英雄カイ・ホスローの陵墓を掘り返し、宝剣ルクナバードを手に取ったヒルメス。黄金の鞘から引き出した刃は300年にわたり土の中にあったとは思えない輝きを放っていたが…ルクナバードを墓から取り出した所為で英雄王の封印が解け、蛇王ザッハークが動き出した。鳴動が足元を揺るがし大地が大きく波打つ。黒雲が空を覆い激しい雷雨を降らせ、地上は地震によってひび割れ立つこともままならない状態に…。この期に及んでもルクナバードを手放したがらないヒルメスであったが、ザンデがその意に背き、地上の裂け目へルクナバードを投じる。ザンデの機転により最悪の事態は回避され、それぞれ下山の途へついたのであった。。
ヒルメスは狭量な描写がかなり目立つ。王者の器じゃないんだよなぁ。
一方、ギスカールから密命を受けヒルメスの動向を探っていたオラベリア一行も、地震により壊滅的な被害を受けた。自分以外の騎士は全滅したと思い込んだオラベリアはエクバターナへ戻ることにしたのだが、一人のルシタニア騎士が地底に飲み込まれながらも生き延びていたのだ。ドン・リカルドである。地下の巨大な空洞で目を覚ましたドン・リカルドは、闇の奥に何かの気配を感じた。。両肩からヘビが生えている動く巨人の影が、壁に映っていたのだ。凄まじい瘴気が吹き付けてきた瞬間、ドン・リカルドの理性と勇気は弾け飛び、無限とも思える闇の中を逃げ出した。意識が戻り小川に歩み寄ったドン・リカルドは、自分の姿に慄然とする。彼は30歳になったばかりなのに、髪もひげも真っ白になっていたのだ…。
蛇王ザッハークの伝説を知らないルシタニア人が見たからこそ、これが本物のザッハークだということが分かる。そして、のちの16翼将パラザータことドン・リカルドが登場。ただのルシタニア騎士だったのに、何故か16翼将に。未だに理解できない。。
第三章 ふたつの脱出
ギスカールを人質にし王宮の一室に立て籠もるアンドラゴラスに対し、ルシタニア軍首脳陣は有効な打開策を打てずにいた。王弟ギスカールは文字通りルシタニア軍の要であり、絶対に害させる訳にはいかないからだ。そんな中、国王イノケンティスがアンドラゴラスと一騎打ちを行うと宣言。事態は混迷の度合いを深める。イノケンティスは王宮に忍び込んだ魔導士ガズダハムにそそのかされ、毒刃をもって決闘に挑もうとしていたのだ。モンフェラートとボードワンは国王は病気であるとし、何とか寝所へ押し込める。似合わない甲冑を着込み兵士に笑われる国王の姿を見たモンフェラートは、自分たちが泥で作られた人形のように足元から崩壊しつつあると感じていた。。
ルシタニア軍で有能なのはギスカール・モンフェラート・ボードワンくらいなので、彼らの苦労を考えると、悪役ながらも同情を覚える。
アンドラゴラスからルシタニア軍へ申し出があり、アンドラゴラスとタハミーネはエクバターナから出ていくことに。ギスカールの命と引き換えにルシタニア軍をエクバターナから引き揚げさせることも可能であったが、アンドラゴラスは堂々たる決戦の末に勝敗を決しようと考えたのだ。威風堂々と王都を出るアンドラゴラスに対しルシタニア軍が奇襲をかけるも、タハミーネがギスカールを馬車から突き落とし、ルシタニア軍がギスカールに気を取られているうちに脱出に成功。アンドラゴラスは西方へ去っていった。。
結局アンドラゴラスは自らの武力で脱出。助けられなかったアルスラーンの立場がまずいことに。。
第四章 王者対覇者
アルスラーンらが籠城を続けるペシャワールの地へ、トゥラーン国王(カガーン)トクトミシュ率いるトゥラーン軍本体が到着。100,000名の騎兵がペシャワール城門前まで押し寄せた。アルスラーンに降伏を勧めたトクトミシュであったが、効果が無いと分かると近隣の村から村人たちをさらい、城壁前で次々と斬首。それを見たアルスラーンは激怒し、全軍に出撃を命ずる。しかし、それは野戦が得意で攻城戦を不得手とするトゥラーン軍の思うつぼであり、トクトミシュの巧妙な用兵によってアルスラーンは孤立。トゥラーン軍兵士に囲まれてしまう。。絶体絶命のピンチを迎えたアルスラーンであったが、何とギーヴによって命を救われ、ペシャワール城へ帰りつく。アルスラーンを救うという最も効果的なタイミングで帰ってきたギーヴは、再びペシャワール城で羽を休めるのであった。
トゥラーンは他国を侵略・略奪して、その富を分配することによって国と軍を維持しているので、戦いを長引かせたくないという狙いもある。
幾度かの戦闘を繰り返すのち、トゥラーン将軍ジムサの吹き矢によってザラーヴァントが重傷を負ってしまう。毒を塗った吹き矢を巧みに使うジムサにパルス軍は翻弄されるが、クバードとイスファーンの連携でジムサを捕えることに成功。さらに、ジムサに偽の情報を掴ませわざと脱走させたパルス軍はトゥラーン軍を罠にはめ、大陸公路諸国の歴史上、もっとも凄惨な同士討ちを展開させた。
ナルサスの悪辣(誉め言葉)な作戦。
同士討ちに加えパルス軍の猛攻に遭い壊滅寸前のトゥラーン軍にあって、タルハーンが奮闘。トクトミシュを戦場から脱出させ、自身はダリューンとの一騎打ちに臨んだ。何十合と渡り合い、両者馬から転げ落ちたあとも戦い続け、ダリューンをギリギリまで追い詰めたが、、最後に勝ったのはやはりダリューン。猛将タルハーンがその堂々たる武人の生涯を終えるとともに、トゥラーン軍は一方的に撃砕され、血と夜のなかを潰走。味方の矢によって負傷したジムサも再びパルス軍の捕虜となり、この日の戦闘は終了した。
タルハーンの強さが際立っていた。ダリューンをあと一歩まで追い詰めた武将は片手で足りるくらいしか居ない為、タルハーンは敵味方合わせてもかなり上位の強さ。
第五章 征馬孤影
ヒルメスを探すべくイリーナ内親王一行と旅を続けていたメルレインは、街道で出会った騎士団の中に銀仮面の男が居ることを発見。はたしてそれはヒルメスであったが、イリーナが話しかけてもヒルメスは相手にせず、去っていってしまった。ヒルメスは内心イリーナとの再会を喜んでいたものの、未だ王位を回復出来ずくすぶっている自分では、イリーナに対して会わせる顔がないと考えたのである。。
いやいや、せっかく長い旅をして会いに来てくれたんだから、もっと何かあるだろう。。ヒルメスは相変わらず相手より自分の気持ちを優先する男。
先日の敗戦から覇気を失いがちであったトクトミシュに対して、イルテリシュが謀反を起こした。会議の席上において抜刀し、トクトミシュを殺害。今から自分がトゥラーン王国の国王であると、文字通り力をもって周囲に認めさせた。
タルハーン亡き今、トゥラーン軍武将の中でイルテリシュに対抗出来る実力をもつ者は居ない。
エクバターナを脱出したアンドラゴラスとタハミーネが、ペシャワール城へ到着。自力で脱出するなど流石のナルサスでさえ予想外の出来事であり、諸将は混乱する。アンドラゴラスは百騎長以上の者を閲兵の間に集めアルスラーンに勅命を下したが、その内容に城内はざわめくことに。。それは、一人で南方の海岸地帯へ赴き、50,000名の兵を集めるまで帰参するなという内容であった。ダリューン・ナルサスはアルスラーンへの随従を許されず城内へ軟禁され、アルスラーンは告死天使を伴い、たった一人でペシャワール城を後にした…。
この物語はアルスラーンが主役なので、アンドラゴラスの所業が酷いものに映る。しかし、アンドラゴラスからすれば、まだまだ現役バリバリ40代の自分を差し置いて実の息子でもない王太子に権力を与えたくないのは、至極当然。殺さず追放で済ませるところは、むしろ甘いと言えるかも。
その日の夜半、アルスラーンのもとへ馳せ参じたい面々が、それぞれの才覚をもって行動を起こす。エラム・アルフリードが城内へ火を放ち騒ぎを起こし、その隙をついてダリューン・ナルサス・ファランギースがペシャワール城を脱出。ギーヴ・ジャスワントも脱出に成功し、アルスラーンに合流。アルスラーンは輝く笑顔で彼らを迎えた。。もはや征馬は孤影ならず。8名と1羽は南方の有名な港町ギランを目指し、南下していった。。
アルスラーン戦記05巻『征馬孤影』 完
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